シラバス情報

授業科目名
公衆衛生看護学概論
学年
2年
単位数
2単位
実務経験の有無
〇(実務経験有)
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
大橋 優紀子、濵田 昌実、丸山 あかね、石田 ゆかり、鈴木 明子
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
到達目標
1.社会を形作る文化や制度と健康との関連について理解する。(知識・理解)
2.地域で暮らす人々の健康な生活の実現に活用できる専門知識を身につける。(知識・理解)
3.予防が必要な対象者(個人・家族・集団等)について理解し、健康増進、自立の促進等を目指した看護実践を行う能力を身につける。(知識・理解、創造的思考力)
4.保健・医療・福祉チームにおける連携と協働について理解する。(汎用的技能)
5.看護専門職として生涯にわたり研鑽し続ける態度を身につける。(態度・志向性)

テーマ
1.社会・生活・職業環境と健康問題の関わりについて、歴史的変遷を理解し、公衆衛生看護の理念と目的、理論を理解する。
2.行政、学校、産業という場で行う疾病予防、健康の保持増進、健康管理活動を理解する。
3.保健指導、健康相談、家庭訪問など、個別と集団の両方でアプローチする保健師の専門的技術を理解する。
4.国内外の社会情勢や学際的な観点から、公衆衛生看護の現状と課題を捉えることができる。

概論は、教科書中心で具体的な話ではなく、学生はイメージを持ちづらいため、実務経験のある教員による実践を取り入れた授業構築を計画している。
保健所保健師2年、市町村保健師11年8カ月および25年の経験のある教員が、行政という場で行う疾病予防、健康の維持増進、健康管理について、また保健指導、健康相談、家庭訪問といった具体的な活動をもとに、教科書の説明だけではわからないことをイメージできるようにして教授する。
さらに、小児7年・精神7年の看護師経験のある教員も、実務経験に基づく事例を多くとりいれ、公衆衛生看護を構成する仕組みについて、実践と結びつけたイメージをもって理解が深まるように授業を工夫しているとともに、看護師の立場の中にも公衆衛生看護学が見えるような説明も意識的に行っている。
また、産業保健師1年の経験から、組織のマネジメント、ライン管理、労働衛生を学んだことを、1回1回の授業を超えて、学生指導や教務の運営に生かしている。

授業の概要
① 科目名:Introduction to Public Health Nursing
② 授業形態:講義
③ 授業内容:講義形式で、実践を多く踏まえた講義内容をもとに学ぶ。病院で行われる看護だけではなく、人々が生活する地域という視点で捉えることで、そこに住む個人や家族、集団や地域を対象とし、また予防的視点で専門的支援を行う公衆衛生看護について学びを深める。この授業を通して、健康な人にとっても「予防」は必要な視点であり、その時代の健康課題に合わせて、地域を拠点とした支援を看護師が行うことを理解する。この授業は、保健師課程の必修科目のひとつであり、後に開講される公衆衛生看護学関連科目の基礎になる位置づけであるが、人々の生活が営まれている地域を知ることは、看護師課程の基盤であることを意識して学んでほしい。

授業計画
1回
第1回 4月10日(水)1限(鈴木) 
第1部 第1章(p. 002-039)公衆衛生看護学の概念
<前半>オリエンテーション、
<後半>公衆衛生看護の定義
到達目標:公衆衛生看護の定義を説明できる。予防活動、地域づくりといった公衆衛生活動を説明できる。関係機関の種類を説明できる。
Keywords: ウインスロー、日本国憲法第25条、健康、オタワ宣言、ICF、コミュニティ・アズ・パートナーモデル、予防、健康日本21、地域づくり、連携、フォーマル/インフォーマル、地区組織、コーディネーション
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

2回
第2回 4月17日(水)1限(鈴木)
第1部 第2章(p. 040-055)公衆衛生看護の歴史
第3部 第5章(p. 550-569)グローバルな視野での活動
<前半>諸外国の公衆衛生看護の歴史や保健活動、
<後半>歴史からみる健康課題別の活動、歴史を踏まえたこれからの公衆衛生看護活動
到達目標:公衆衛生看護活動の歴史について理解する。
Keywords: 地区看護婦、保良せき、巡回看護、保健婦規則、保健所法、保健婦、国保保健婦、社会的決定要因、SDGs、WHO、JICA、ODA、メディケア、メディケイド、NHS、一般家庭医
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

3回
第3回 4月24日(水)1限(鈴木)
第2部 第8章(p. 219-238)地域における活動と地域診断
到達目標:地区診断のプロセスと地区の活動を理解する。
Keywords: コミュニティ、地域診断、地区活動、地区分担制、ソーシャルキャピタル、地域の情報
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

4回
第4回 5月1日(水)1限(濵田)
第1部 第3章(p. 057-084)公衆衛生看護の基盤と対象
到達目標:公衆衛生看護活動の基盤となる法律と理論について説明できる。
Keywords: 法律、社会的正義、社会的公正、プライマリヘルスケア、アルマ・アタ宣言、ヘルスプロモーション、ポピュレーションアプローチ、ハイリスクアプローチ、健康課題、健康格差、特定健康診査・特定保健指導、健康日本21、健康格差、ヘルスリテラシー
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

5回
第5回 5月8日(水)1限(鈴木)
ゲストレクチャー「予防医学の新しい視点」
講師:千葉大学予防医学センター栄養代謝医学分野 教授 櫻井健一先生
到達目標:予防という視点について説明できる。
Keywords: 出生コホート、エコチル、社会要因、フードデザート、都市計画
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

6回
第6回 5月15日(水)1限(濵田)
第1部 第3章(p. 084-098)公衆衛生看護が対象とする人々
第1部 第4章(p. 099-118)公衆衛生看護の展開方法
到達目標:公衆衛生看護活動の対象について説明できる。個人・家族、集団、地域への支援について説明できる。
Keywords: 健康危機、難病、災害、ライフステージ、鳥の目と虫の目、健康相談、健康診査・検診、健康教育、費用対効果、PDCAサイクル、評価
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義を聴講して学んだことをレポートする。

7回目
第7回 5月22日(水)1限(鈴木)
ゲストレクチャー「薬害エイズ事件の被害と現在・今後の課題」
講師:社会福祉法人はばたき事業団 理事長 武田 飛呂城 先生
到達目標:薬害HIV問題について知り、被害者の経験や薬害の教訓から、医療従事者として何が出来るか説明できる。
Keywords: 血友病、非加熱製剤、薬害HIV
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義を聴講して学んだことをレポートする。

8回
第8回 6月10日(月)4限(濱田)
第1部 第5章(p. 119-131)公衆衛生看護活動を展開する場
参照:第3部 第1章 E(p. 381-419)産業保健活動
到達目標:公衆衛生看護活動を展開する場である行政、産業について説明できる。
Keywords: 保健所、市町村保健センター、地域保健法、ILO、産業医、労働基準、安全衛生、トータル・ヘルスプロモーション
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

9回
第9回 6月17日(月)4限(石田)
母子保健活動と学校保健活動
第1部 第5章(p. 131-137)
第3部 第1章 A母子保健活動(p. 248-275)
D 学校保健活動(p. 356-380)
到達目標:乳幼児・児童が心身ともに健やかに育つために、母親・父親も含めた子育てを支える公衆衛生看護活動のしくみ・制度について説明できる。児童・生徒の健康課題への対策と支援について説明できる。
Keywords: 母子健康手帳、先天性代謝異常検査、乳幼児健康診査、地域子ども・子育て支援事業、母子健康包括支援センター、小児医療費公費負担制度、少子化、子ども虐待、健やか親子21、学校保健活動、学校保健安全法、医療的ケア、特別支援教育、養護教諭、スクールカウンセラー
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義を聴講して学んだことをレポートする。

10回
第10回 6月24日(月)4限(丸山)
第2部 (p. 146-245)公衆衛生看護における支援方法
到達目標:公衆衛生看護における支援方法について説明できる。
Keywords: 保健指導、家庭訪問、アウトリーチ、健康相談、健康診査、健康教育、ヘルスリテラシー、グループ支援、エンパワメント、コンサルテーション
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義を聴講して学んだことをレポートする。

11回
第11回 7月1日(月)4限(石田)
公衆衛生看護活動の例−東金市
第1部 第5章(p. 119-125)
参考:第2部 第9章(p. 239-245)社会資源の開発(事業化・施策化)
   第3部 B成人保健活動
C高齢者保健活動
到達目標:市町村保健師の活動について説明できる。
Keywords: 地区診断、地区視診、老人保健福祉計画、健康増進計画、特定健康診査・特定保健指導、健康危機管理、1歳6か月児健診、統括保健師、市町村保健師
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

12回
第12回 7月8日(月)4限(丸山)
公衆衛生看護活動の例−八丈町
第1部 第5章(p. 119-125)
参考:第2部 第9章(p. 239-245)社会資源の開発(事業化・施策化)
   第3部 B成人保健活動
C高齢者保健活動
到達目標:市町村保健師の活動について説明できる。
Keywords: 地区診断、地区視診、老人保健福祉計画、健康増進計画、特定健康診査・特定保健指導、健康危機管理、1歳6か月児健診、統括保健師、市町村保健師
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

13回
第13回 7月15日(月)4限(鈴木)
まとめ
到達目標:公衆衛生看護活動の対象、場、活動方法、法制度について説明できる。公衆衛生看護の機能を説明できる。
Keywords: 保健所、健康危機管理、難病、感染症法、積極的疫学調査、精神保健活動、ノーマライゼーション、難病法、災害保健活動、社会的弱者
事前学習
Keywordsについて調べ内容を理解する。
事後学習
講義のポイントを整理し、興味のあることについて調べ学習する(2h)。

14回
試験
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
定期試験:80%
授業への参加姿勢・取組み状況・課題レポート:20%
により評価を行う。

総合成績60%以上かつ定期試験の正解率60%以上を合格とする。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
課題に対するコメントは授業中口頭またはPortalで行う。

講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
公衆衛生看護学 第3版
上野昌江/和泉京子
中央法規出版
9784805883884
2021 3,800円
参考文献・推薦図書
国民衛生の動向 2022/2023(第69巻第9号)一般財団法人厚生労働統計協会 03854-08 2,695円
研究室
鈴木
東金キャンパス・H棟・H206
丸山
東金キャンパス・H棟・H410
石田
東金キャンパス・H棟・H409
濱田
東金キャンパス・
オフィスアワー
S1
鈴木:
丸山:
石田:
濱田:

S2
鈴木:
丸山:
石田:
濱田:
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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地域診断と地域活動、健康支援と健康教育、公衆衛生看護活動論、公衆衛生看護活動論演習、公衆衛生看護学実習