教員名 : 中村 洋
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授業科目名
有機化学B
学年
2年
単位数
2単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
中村 洋
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
【関連するDP】1(PC2022, PC2023) 【関連するSDGs】3
我々の身体は有機化合物からできており、また多くの"くすり"が有機化合物である。従って"くすり"の専門家である薬剤師は、身体とくすりの相互作用(効き方)を詳細に理解するために、有機化学的なセンスが必要である。有機化学Bでは"くすり"の構造の中に多く見られるカルボン酸とアミンを中心とする基礎知識を修得する。またこれまでに学んだ知識を用いて医薬品を考える有機化学的センスを養うことがテーマである。 くすりが身体の中で「どのように変化するか」「どのように作用するか」を微視的にイメージするために以下の力を修得する。 1.カルボン酸類やアミン類の性質・反応を体系的に説明できる。 2.有機化合物の酸化と還元を体系的に説明できる。 3.エステルやアミドの加水分解を体系的に説明できる。 4.炭素-炭素結合生成反応を体系的に説明できる。 5.1〜4の知識を統合し、体内でおきている現象を説明できる。 6.1〜4の知識を統合し、医薬品の性質・反応を予測できる。 授業の概要
① 必修科目
② 科目名(英語名):Organic Chemistry B ③ コアカリキュラム:C3(2), C3(3), C4(3), 薬学準備教育ガイドライン(3), 薬学アドバンスト教育ガイドライン(C3) ④ 授業形態:講義 ⑤ 我々の身体は有機化合物からできており、また多くの"くすり"が有機化合物である。従って"くすり"の専門家である薬剤師は、身体とくすりの相互作用(効き方)を詳細に理解するために、有機化学的なセンスが必要である。有機化学Bでは"くすり"の構造の中に多く見られるカルボン酸とアミンを中心とする基礎知識を修得する。またこれまでに学んだ知識を用いて医薬品を考える有機化学的センスを養うことがテーマである。 2022年カリキュラム【必修科目】 授業計画
1回
<カルボン酸とその誘導体1>
カルボン酸とその誘導体の命名ができる。 カルボン酸の構造と性質を理解し説明できる。 カルボン酸の酸性度について説明できる。 事前学習
授業動画を視聴して、有機化合物のIUPAC命名法の成り立ちの概略、カルボン酸の持つ酸性を代表とする性質を把握しておくこと
酸・塩基の定義を復習しておくこと 代表的なカルボン酸の慣用名について予習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 2回
<カルボン酸とその誘導体2>
カルボン酸の代表的な合成法について説明できる。(J07400) カルボン酸の基本的性質と反応を列挙し、説明できる。(C14000) 事前学習
授業動画を視聴して、カルボン酸の合成法、カルボン酸の還元、カルボン酸のエステル化を把握しておくこと
化学Bで学習したアルケンの酸化を復習しておくこと 有機化学Aで学習したアルデヒドの酸化を復習しておくこと 有機化学Aで学習したアルコールの合成法を復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 3回
<カルボン酸とその誘導体3>
酸ハロゲン化物、酸無水物、エステルの基本的性質と反応を列挙し、説明できる。(C14100) 酸ハロゲン化物、酸無水物、エステルの代表的な合成法について説明できる。(J07500) 事前学習
授業動画を視聴して、求核アシル置換反応の概略を把握しておくこと
第2回授業で学習した、Fischerのエステル化反応の反応機構を復習しておくこと 有機化学Aで学習したアルコールのCl化反応を復習しておくこと 有機化学Aで学習したアルコールの合成法を復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 4回
<カルボン酸とその誘導体4>
アミドの基本的性質と反応を列挙し、説明できる。(C14100) ニトリル類の基本的な性質と反応を列挙し、説明できる。(J05700) アミド・ニトリルの代表的な合成法について説明できる。(J07500) 事前学習
授業動画を視聴して、含窒素カルボン酸誘導体の性質及び反応の概略を把握しておくこと
第2回、第3回授業で学習した内容を復習しておくこと 有機化学Aで学習した求核付加反応について復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 5回
<アミン1>
アミンの命名ができる。 代表的な生体アミンを列挙し、構造式を書くことが出来る。(C14201) アミンの構造と性質を理解し説明できる。 含窒素化合物の塩基性度を比較して説明できる。(C14500) 事前学習
授業動画を視聴して、有機化合物のIUPAC命名法の成り立ちの概略、アミンの持つ塩基性を代表とする性質を把握しておくこと
酸・塩基の定義を復習しておくこと 求核性を持つ化学種について復習しておくこと 代表的なアミンを代表とする含窒素有機化合物の慣用名について予習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 6回
<アミン2>
アミン類の基本的性質と反応を列挙し、説明できる。(C14200) アミンの代表的な合成法について説明できる。(J07500) ホフマン脱離反応(第4級アンモニウム塩を経由する脱離反応)を説明できる。 事前学習
授業動画を視聴して、アミンの合成法及びアミンの反応の概略を把握しておくこと
第4回で学習したアミドの合成、アミド及びニトリルの還元を復習しておくこと 有機化学Aで学習したハロゲン化アルキルのSN2反応を復習しておくこと 有機化学Aで学習したE2脱離反応を復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 7回目
<アミン3>
芳香族アミンの反応(ジアゾニウム塩を経由する反応)を説明できる。 アミンと亜硝酸の反応を列挙できる。 ジアゾカップリング反応を説明できる。 ジアゾニオ基の置換反応(Sandmeyer反応など)を説明できる。 ジアゾニオ基の置換反応を用いる置換ベンゼンの合成ルートを提案できる。 事前学習
授業動画を視聴して、芳香族アミンとニトロソニウムイオンでおこる反応及び芳香族ジアゾニウム塩でおこる反応の概略を把握しておくこと
化学Bで学習した芳香族求電子置換反応を復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 8回
<アミン4>
代表的な芳香族複素環化合物の性質を芳香族性と関連付けて説明できる。(C13000) 代表的な芳香族複素環の求電子置換反応の反応性、配向性、置換基の効果について説明できる。(C13100) ピロールおよびピリジンの性質を説明できる。 医薬品等に含まれる複素環を識別できる。 酸性を示す含窒素官能基を列挙できる。 塩基性を示す含窒素官能基を列挙できる。 事前学習
授業動画を視聴して、窒素上の非共有電子対が芳香族性にどのように関わっているか把握しておくこと
化学Bで学習した芳香族性について復習しておくこと 化学Bで学習した芳香族求電子置換反応について復習しておくこと 第5回授業で学習したアミンの塩基性について復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 9回
<カルボニル化合物のα置換と縮合反応1>
ケト−エノール互変異性とそれによりおこるα位置換反応について説明できる。 ケト-エノール互変異性がおこる構造(α位水素)を見分けられる。 ケト形に対応するエノール形の構造を書ける。 ケト‐エノール互変異性の条件による反応機構の違いを説明できる。 α位の重水素化を説明できる。 α位のハロゲン化が説明できる。 ケト-エノール互変異性でおこる二重結合の異性化を説明できる。 ケトーエノール互変異性でおこるラセミ化を説明できる。 事前学習
授業動画を視聴して、ケトーエノール互変異性とそれによっておこるα位置換反応の概略を把握しておくこと
これまでに学習したカルボニル基を持つ官能基の性質・反応について復習しておくこと 有機化学Aで学習した、アルデヒド・ケトンの求核付加反応について復習しておくこと 第3回授業で学習した求核アシル置換反応について復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 10回
<カルボニル化合物のα置換と縮合反応2>
代表的な炭素酸のpKaと反応性の関係を説明できる。 カルボニル化合物のα置換反応を理解し、説明できる。 エノラートイオンを経由するアルキル化を説明できる。 エノラートイオンの効率よい合成法を提示できる。 事前学習
授業動画を視聴して、炭素酸、エノラートイオン、エノラートイオンを用いるα位アルキル化反応の概要を把握しておくこと
有機化学A及び第2回授業で学習した酸性が強くなる要因を復習しておくこと 有機化学Aで学習したハロゲン化アルキルのSN2反応を復習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 11回
<カルボニル化合物のα置換と縮合反応3>
代表的な炭素酸のpKaと反応性の関係を説明できる。 アセト酢酸エステルおよびマロン酸エステル合成を説明できる。(J08100) β-ケトカルボン酸の自発的な脱炭酸を説明できる。 事前学習
授業動画を視聴して、マロン酸エステル合成及びアセト酢酸エステル合成の概略を把握しておくこと
第10回授業の内容を復習しておくこと ヘンダーソンーハッセルバルヒ式を復習しておくこと マロン酸、アセト酢酸の構造を確認しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 12回
<カルボニル化合物のα置換と縮合反応4>
カルボニル化合物の縮合反応(アルドール反応、クライゼン縮合など)を説明できる。(J08100) 代表的な炭素−炭素結合生成反応と生体反応の関係を概説できる。(C14101) 事前学習
授業動画を視聴して、カルボニル化合物でおこる縮合反応および共役付加反応の概略を把握しておくこと
有機化学A及びBで学習したカルボニル化合物の求核アシル置換反応および求核付加反応について予習しておくこと 【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
【2h】 13回
<まとめ−薬剤師に必要な化学的知識とは>
医薬品の構造中に含まれる官能基の酸・塩基性度の強弱を説明できる。(C14401) 医薬品の構造から、水溶性を予測できる。(C17901) 医薬品の構造から、医薬品の作用の強さや持続時間の違いを予測できる。(C17902) 事前学習
有機化学Bで学習したカルボン酸、アミンの性質や反応と併せてこれまでに学習した様々な官能基の性質や反応について復習しておくこと
【2h】 事後学習
配布した練習問題及び教科書の練習問題を解き、理解を深めること
期末試験に向けて過去問を解いておくことが望ましい 【2h】 14回
事前学習
事後学習
15回
事前学習
事後学習
16回
事前学習
事後学習
17回
事前学習
事後学習
18回
事前学習
事後学習
19回
事前学習
事後学習
20回
事前学習
事後学習
21回
事前学習
事後学習
22回
事前学習
事後学習
23回目
事前学習
事後学習
24回
事前学習
事後学習
25回
事前学習
事後学習
26回
事前学習
事後学習
試験及び成績評価
授業への取組み(26点相当)と定期試験(74点相当)を総合して評価する。
授業への取組みは、授業時の成果物(13点分)および授業後の演習成績(13点分)とする。 定期試験は100点満点の客観試験を実施し、その得点を調整した値を用いる。※定期試験は14回目授業時間に行う。 ※総合点で合格規準に満たない学生には、再試験(定期試験と同様の客観試験)を実施し再評価(最高70点)する。 ※やむを得ない事由で定期試験を欠席した学生が正当な手続きを経て「追試験受験願」が受理された場合には、定期試験と同様の追試験を実施し授業への取組と総合して評価(最高100点)する。 課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
※配布した練習問題の解答はLMSで公開する。
※質問は授業時、オフィスアワー、LMSを使って行ってください。 講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
マクマリー有機化学概説 第7版
JOHN McMURRY
東京化学同人
978-4-8079-0927-8
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参考文献・推薦図書
化学系薬学 I(スタンダード薬学シリーズ II-3)化学物質の性質と反応 日本薬学会編 東京化学同人 2015年 5600円+税
【マクマリー有機化学概説より詳しく知りたい学生用】 ウォーレン有機化学(第2版) J.Clayden, N.Greeves, S.Warren著 野依ら監訳 東京化学同人 2015年 (上)6500円+税 (下)6300円+税 ボルハルト・ショアー現代有機化学(第8版) K. P. C. Vollhardt、N. E. Shore(共著)古賀 憲司、野依 良治、村橋 俊一(共訳)化学同人2019年(上)6500円+税 2020年(下)6500円+税 【有機化学が苦手な学生用】 困ったときの有機化学(第2版) D.R.Klein(著)竹内敬人、山口和夫(訳)化学同人 2018年(上)2,700円+税 2019年(下)2,700円+税 研究室
K607
オフィスアワー
水曜日2限、木曜日2限
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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