シラバス情報

授業科目名
比較文化研究(比較民族文化論)B
学年
1年
単位数
2単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
井上 敏昭
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
本科目、比較文化研究(比較民族文化論)Bは、民族文化を対象とした研究およびその比較研究の手法であるエスノグラフィカル・アプローチの具体的方法について学ぶ。
到達目標:エスノグラフィカル・アプローチの具体的方法を身につけ、履修生自身の修士論文研究に活用することができるようになる。文化人類学的なフィールドワークの基礎を習得する。フィールドワークの現場で何に着目し、そこからどのようなことを読み取ることができるのか学ぶ
授業の概要
科目名:比較文化研究(比較民族文化論)B (Comparative Cultural Studies (Theory of Comparative Ethnic Culture)B)
授業形態:講義・演習
授業で扱う内容:
エスノグラフィカル・アプローチの具体的方法
文化人類学におけるフィールドワークの調査法
フィールドで起こり得る事象とそこから読み取れる民族文化

授業計画
1回
第1回目:授業導入:本科目の授業の進め方の説明
    履修生の修士論文研究の内容確認
到達目標:自分の研究においてエスノグラフィカル・アプローチ、文化人類学的フィールドワークを学ぶ意義について把握することができる
事前学習
(2h)比較文化研究(比較民族文化論)Aで学んだ内容をまとめておく。自分自身の修士論文研究の研究計画を発表できるようにしておく














事後学習
(2h)今回の授業で受けた指導内容に基づいて、自分自身の研究にエスノグラフィカル・アプローチ、文化人類学的フィールドワークをどのように取り入れることができるか考察を深めておく

2回
第2回目:エスノグラフィーのプロセス
研究手法としてのエスノグラフィーの研究手順(プロセス)について学ぶ
到達目標:エスノグラフィーのプロセスを理解し、自分自身の修士論文研究に適切に応用することができる
事前学習
(2h)教科書の第3章を精読し、疑問点を抽出しておく
事後学習
(2h)今回の授業内容を復習し、自分自身の修士論文研究にどのように取り入れるべきか考えておく

3回
第3回目:フィールドの選定
自分自身の修士論文研究におけるフィールド(調査対象社会・調査対象の現象)を選定するための方法について学ぶ
到達目標:自分自身の修士論文研究におけるフィールド(調査対象社会・調査対象の現象)を選定することができる

事前学習
(2h)教科書の第4章を精読し、疑問点を抽出しておく
事後学習
(2h)今回の授業内容を復習し、自分自身の修士論文研究におけるフィールド(調査対象社会・調査対象の現象)の選定作業を開始する

4回
第4回目:研究倫理
民族社会を対象とした研究において必ず遵守すべき研究倫理について学ぶ
本学における研究倫理審査の手続きについて学ぶ
フィールドワークにおける安全管理について学ぶ
到達目標:自分自身の修士論文研究において、研究倫理を遵守し、そのための手続きを履行することができる

事前学習
(2h)教科書の第5章・第6章を精読し、疑問点を抽出しておく
事後学習
(2h)自分自身の修士論文研究において、研究倫理上および安全管理上どのようなことが求められるか考察し、その準備に着手する


5回
第5回:概念力を相対化する
「概念力」について理解し、それを相対化したうえで自身の修士論文研究におけるフィールドワークや先行研究の分析に活用する方法を学ぶ
到達目標:「概念力」について理解し、それを相対化したうえで自身の修士論文研究に活用できるようになる
事前学習
(2h)教科書の第7章を精読し、疑問点を抽出しておく
事後学習
(2h)「概念力」について復習し、理解を深めておく

6回
第6回:フィールドワークの基本姿勢
文化人類学におけるフィールドワークの基本姿勢について学ぶ:活用しうるすべての視点・手法を総動員する 調査地社会の人々と対等な関係を構築する
到達目標:文化人類学におけるフィールドワークにおいて求められる基本姿勢を理解する
事前学習
(2h)教科書の第9章を精読し、疑問点を抽出しておく
事後学習
(2h)文化人類学におけるフィールドワークにおいて求められる基本姿勢について復習し、理解を深めておく

7回目
第7回:文化人類学におけるフィールドワークの手法その1:アンケート調査法の基礎
データ収集法の基礎について学ぶ。この回ではアンケート調査法について、実施方法や得られるデータの特質など基礎的な事柄について学ぶ。
到達目標:アンケート調査法の特性を理解し、各自が設定した研究目標を達成するために最適な調査・分析法を選択することができる。
事前学習
(2h)自身の卒業研究においてどのようなデータが必要となるか、そのようなデータを得るためにはどのような調査を行えばよいか、その理由も含めて説明できるようにしておく。
事後学習
(2h)授業内で個別に指示した参考文献などを用いて、それぞれの研究目標に合致したアンケート調査法に習熟しておく。

8回
第8回:文化人類学におけるフィールドワークの手法その2:参与観察法
データ収集法の基礎について学ぶ。この回では参与観察法の基礎を学ぶ。
到達目標:「観察」と「参与観察」の違いを理解する。参与観察法の基礎と特に留意すべき点を理解する。



事前学習
(2h)「参与観察」は社会科学で通常用いられる「観察」とどのように異なるのか、専門的な文献を参照して解答できるようにしておく。参照した文献の出典情報も答えられるようにしておく
事後学習
(2h)自身の研究に参与観察法を用いるかどうか検討しておく。

9回
第9回:文化人類学におけるフィールドワークの手法その3:インタビュー調査法の基礎
データ収集法の基礎について学ぶ。この回ではインタビュー調査法について、実施方法や得られるデータの特質、研究倫理上避けるべき方法など基礎的な知識を学ぶ。
到達目標:インタビュー調査法の特性を理解し、各自が設定した研究目標を達成するために最適な調査・分析法を選択することができる。
事前学習
(2h)「質的データ」と「数的データ」の違いについて調べておく。
事後学習
(2h)アンケート調査とインタビュー調査の違いについて復習し、自身の研究におけるデータ収集にはどちらが適切か考察しておく。


10回
第10回:文化人類学におけるフィールドワークの手法その4:インタビュー調査の種類と方法
データ収集法の基礎について学ぶ。この回では「構造化されたインタビュー」「半構造化されたインタビュー」「構造化されていないインタビュー」のそれぞれの特徴や得られるデータの違いについて学ぶ。またインタビュー調査における関係構築や研究倫理について学ぶ。
到達目標:「構造化されたインタビュー」「半構造化されたインタビュー」「構造化されていないインタビュー」の方法や得られるデータの違いを理解できる。インタビュー調査の場において、調査対象者の権利を適切に擁護できるようになる。

事前学習
(2h)「話をしやすい人」とはどのような人物か、考えをまとめておく。
事後学習
(2h)インタビュー調査の種類ごとの特性について、授業内容を復習し、理解を深めておく。

11回
第11回:フィールドワークの実際その1:アラスカ先住民社会における相互理解
講師が実際に行ったフィールドワークの事例から、実際に民族社会においてフィールドワークを実施する場合にどのようなことが起きるのか、それが研究上の気付きにどのように関係するのか検証する。第11回目は調査者(講師)と現地社会の先住民との間の誤解や相互理解の事例を取り上げる。
到達目標:提示された事例から、フィールドワークの現場で起こり得る事象のどの部分に着目するべきかについて考えることができるようになる
事前学習
(2h)「先住民」とはどのような人々を指す概念か、専門的な文献を参照し、定義できるようにしておく。参照した文献の出典情報も報告できるようにしておく
事後学習
(2h)今回の授業で扱った事例を復習し、そこから何が読み取れるのか考察しておく

12回
第12回:フィールドワークの実際その2:アラスカ先住民社会による開発反対・環境保全運動
講師が実際に行ったフィールドワークの事例から、実際に民族社会においてフィールドワークを実施する場合にどのようなことが起きるのか、それが研究上の気付きにどのように関係するのか検証する。第12回目は先住民社会による社会的活動の事例を取り上げる。
到達目標:提示された事例から、フィールドで展開される社会的活動のどの部分に着目するべきかについて考えることができるようになる

事前学習
(2h)フィールドにおいて、調査対象社会の民族文化、とくに価値観を尊重するために、調査者には何が求められるのか、考察しておく
事後学習
(2h)今回の授業で扱った事例を復習し、そこから何が読み取れるのか考察しておく

13回
第13回 まとめ エスノグラフィーを用いた修士論文研究
本科目で学んだ文化人類学やエスノグラフィーの手法を本研究科での修士論文研究にいかに活用することができるか考察する
到達目標:本科目で学んだ文化人類学やエスノグラフィーの手法を、自分自身の修士論文研究に適切に活用することができる

事前学習
(2h)初回から第12回授業まで学んだ内容をまとめ、復習しておく
事後学習
(2h)本科目で学んだ文化人類学やエスノグラフィーの手法をいかに自分自身の修士論文研究に活用可能か考察し、それに基づいて期末レポートを作成する

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
試験及び成績評価
授業での発表:50点 (発表内容+議論への参加)
期末レポート:50点
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
課題については次の授業内でフィードバックを行う。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
改訂版 エスノグラフィー入門 〈現場〉を質的調査する
小田博志
春秋社
978439349917
参考文献・推薦図書
『開発と先住民 (みんぱく実践人類学シリーズ7)』 岸上伸啓編 明石書店 ISBN978-4-7503-3090-7
研究室
H棟5階 H501研究室
オフィスアワー
オフィスアワーは決定次第授業内で通知する。
科目ナンバリング
学位授与方針との関連
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