シラバス情報

授業科目名
研究法概説(情報学・統計学)
学年
1年
単位数
2単位
実務経験の有無
開講クォーター
セメスタ指定なし
担当教員
袁 福之
授業形態
授業で主に使用する言語
日本語
授業方法区分
開講キャンパス
東金キャンパス
授業の到達目標及びテーマ
研究とは、現実の現象を説明するような理論の仮説をつくり、その仮説が確からしい証拠を提出することである。そこで生み出される仮説は、意義の深いものでなければならない。多くの人がなるほどその仮説が大切だ、面白い、と思えるものでなければならない。新たな視点から問題を発見し、課題の原因や解決に関する仮説を探索し、分析フレームワークを整え、正確な論証プロセスを通じて意味のある結論を導くことが博士課程の成果として求められる。

博士課程において、調査研究を行うこと、すなわち、明確な問題意識をもち、設定されている課題を解決するために計画的・系統的に情報・データ・事実を収集し、適切な認識的枠組み(理論・仮説・分析フレームワーク)のもとに分析・解釈し論文にまとめることが求められる。

本講義は、言語研究、文化研究の分野における情報工学、統計学、計量テキスト分析の研究方法を活用し、仮説を検証することを学ぶ。統計ソフトウェアとコンピュータを使用し実習を行う。
授業の概要
研究を計画する(リサーチをデザインする)ことは、下記の4つの要素と相互の関連性を適切に設定しなければならない 。研究の進行に合わせて絶えずに練り直さなければならないことも多い。
① 研究課題(どのような問題を、何を目的にしてリサーチするのか)
② 理論(リサーチの枠組みとしてどのような理論を使うのか)
③ データ・事例・事実・調査(実証のためどのようなデータ・事例・事実を使うのか)
④ 推論技法(データから推論するためにどのような技法を使うのか)

先行研究による演繹的推論、データ・事例・事実。調査に基づく帰納的推論と仮説検証を学ぶ。
言語研究、文化研究の分野における情報工学、統計学、計量テキスト分析の研究方法を活用し、仮説を検証することを学ぶ。統計ソフトウェア(R言語、KH Coder)とパソコンを使用し実習を行う。

授業計画
1回
リサーチデザイン(1)

研究を計画(リサーチをデザイン)することは、下記の4つの要素と相互の関連性を適切に設定しなければならない 。研究の進行に合わせて絶えずに練り直さなければならないことも多い。
① 研究課題(どのような問題を、何を目的にしてリサーチするのか)
② 理論(リサーチの枠組みとしてどのような理論を使うのか)
③ データ・事例・事実(実証のためどのようなデータ・事例・事実を使うのか)
④ 推論技法(データから推論するためにどのような技法を使うのか)
上記の4点を踏まえて、博士課程の研究を再構築することを学ぶ。
事前学習
博士課程の研究計画を再考し、先行研究、データ・事例・事実を収集・整理する。
事後学習
サーチデザインの枠組みを踏まえて、博士課程の研究の進め方を再構築する。

2回
リサーチデザイン(2) 記述的推論・因果的推論
科学研究による記述・説明、因果推論を学ぶ
先行研究による演繹的推論、データ・事例・事実。調査に基づく帰納的推論と仮説検証を学ぶ。
事前学習
先行研究、データ・事例・事実を収集・整理し、博士課程の研究計画を再考する。
事後学習
研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を収集し整理したものを検証する。

3回
リサーチデザイン(3) 質的研究(面接法・観察法・質問紙調査法)と量的研究
What、How、Whyに答える質的研究
質問紙調査法の設計と解析方法

事前学習
研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を収集し整理したものを検証する。
事後学習
研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を収集し整理したものを検証する。

4回
リサーチデザイン(4)
ピラミッド型の論理構造
横: MECE(mutually exclusive, collectively exhaustive、ダブリがなく漏れがない状態)で展開
縦: So What?/Why So? (帰納法、演繹法)で展開

研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を列挙し、その正当性・合理性を検証する。
事前学習
研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を収集し整理したものを検証する。
事後学習
研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を収集し整理したものを検証する。

5回
リサーチデザイン(5) 複雑な因果事象に接近する統計モデルの役割
統計モデルに関する基礎を学ぶ。
統計ソフトウェア(R言語、R Commander)をインストールし使用できるようにする。
事前学習
研究仮説を論証するための先行研究・事例・データ・調査を収集し整理したものを検証する。
事後学習
統計ソフトウェア(R言語、R Commander)をインストールし使用法に慣れること。

6回
統計モデル(1)
母集団・標本、推定、Excelによるピボット分析(ピボットテーブル、ピボットグラフ)
箱ひげ図、散布図
検定、帰無仮説、第1種過誤、第2種過誤を学ぶ
事前学習
統計ソフトウェア(R言語、R Commander)をインストールし使用法に慣れること。
事後学習

7回目
統計モデル(2)
データの視覚化・探索的データ解析
2群比較(t検定、ウィルコクソンの順位和検定)
多群比較(分散分析、クラスカル・ウォリスの順位和検定)

事前学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析
事後学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析

8回
統計モデル(2)
相関分析 —変数間の関係を分析する
回帰分析 —変数間の因果関係を予測する
事前学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析
事後学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析

9回
統計モデル(2)
因子分析 —変数の背後に潜む共通概念を検証する
事前学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析
事後学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析

10回
統計的テキストマイニング —形態素解析と構文解析
KH Coderによる計量テキスト分析
事前学習
統計解析言語Rによる例題の実行と分析
事後学習
KH Coderによる例題の実行と分析

11回
KH Coderによる計量テキスト分析
言葉同士のつながり方を共起ネットワークで可視化
アンケートの自由記述欄や小説の分析を学ぶ
事前学習
KH Coderによる例題の実行と分析
事後学習
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析を試みる

12回
最終レポート試験
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析を試みる
言葉同士のつながり方を共起ネットワークで可視化
事前学習
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析を試みる
言葉同士のつながり方を共起ネットワークで可視化
事後学習
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析を試みる
言葉同士のつながり方を共起ネットワークで可視化

13回
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析の結果を講評する
仮説を構築し検証する
事前学習
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析を試みる
言葉同士のつながり方を共起ネットワークで可視化
事後学習
KH Coderによるアンケートの自由記述欄や小説の分析の結果を改善する

14回
事前学習
事後学習

15回
事前学習
事後学習

16回
事前学習
事後学習

17回
事前学習
事後学習

18回
事前学習
事後学習

19回
事前学習
事後学習

20回
事前学習
事後学習

21回
事前学習
事後学習

22回
事前学習
事後学習

23回目
事前学習
事後学習

24回
事前学習
事後学習

25回
事前学習
事後学習

26回
事前学習
事後学習

試験及び成績評価
授業の中の表現(質問や発言などのエンゲージメント) 30%
最終レポート試験 70%
課題(試験やレポート等)に対するフィードバック
レポート試験は授業中でフィードバックする。
講義で使用するテキスト(書名・著者・出版社・ISBN・備考)
参考文献・推薦図書
村田正紀『リサーチ・デザイン—経営知識創造の基本技術』白桃書房、2006年。

岩崎美紀子『「知」の方法論—論文トレーニング』岩波書店、2008年。

大森崇・阪田真己子・宿久洋『R Commanderによるデータ解析』(第2版)、共立出版、2014年。

樋口耕一『社会調査のための計量テキスト分析—内容分析の継承と発展を目指して KH Coder オフィシャルブック』、ナカニシヤ出版、2020年

金明哲『テキストデータの統計科学入門』岩波書店、2009年。

本田弘之, 岩田一成, 義永美央子, 渡部倫子『日本語教育学の歩き方 -初学者のための研究ガイド』、大阪大学出版会、2014年

研究室
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