ラット培養平滑筋細胞(rSMC)においてトロンビン及びセロトニンは特徴的に血小板由来成長因子:PDGF-Aの発現を誘導した。一方、神経成長因子様活性化合物のMS-818; (2-piperadino-6-methyl-5-oxo-5,6-dihydro(7H)pyrrolo[2,3-d] pyrimidine maleate)は、bFGFの血管新生能を促進することが知られている。そこで、rSMCを用いてPDGF-A発現誘導へのMS-818の併用効果を検討した。結果、rSMCにおけるトロンビンによるPDGF-A発現をMS-818は特異的に増幅することが示唆された。MS-818の利用は、トロンビンを介した血管平滑筋細胞の増殖機構を解明する有効な手段になると期待される。
(共同研究につき本人担当部分の抽出不可能)