周防内侍の家―『金葉集』から『今物語』まで―
(15~24頁)平安の女流歌人周防内侍の家に関する説話の生成から『今物語』採話までをたどり、その物語化と、説話集との関わりがどのようなものであったのか考察。『周防内侍集』と『金葉集』の詞書から本説話が源俊頼の創作である可能性と、『源氏』真木柱巻や『狭衣』飛鳥井女君物語からの影響を指摘した。また、『今物語』編者藤原信実の採話意識として、説話の成立事情を知る者としての優越感をうかがうことができるとした。
『国文』95