城西国際大学日本研究センター主催「文学史と房総Ⅶ:房総と歌ごころ」 演題「馴窓の“歌ごころ”―物語・説話に喚起される―」
室町時代の私家集『雲玉和歌集』には、『伊勢物語』『大和物語』『源氏物語』『平家物語』『日本記紀注』『詞林最要』『蒙求』といった書名が見え、他にもよく知られた話も収められている。一方で、一般的に知られた内容と異なるもの、出典が明らかでないものなどもあり、種々雑多な様相を呈している。これらの物語や説話は、作者馴窓の「歌ごころ」にとってどのような意味を持っていたのか、いくつかの例を挙げながらみていった。