城西国際大学生涯教育センター主催「海と文学」 演題「『平家物語』と海―先帝入水など―」
『平家物語』について海という観点から、いくかの場面をとりあげて読んだ。平氏が海上戦を得意としたこともあり、海の場面は少なくない。しかし、冒頭および結末を軸に読み解くと、そこには単に歴史的事実に基づく設定というだけでなく、背景に平家を龍の一族とみる意識があることがわかる。一門が壇ノ浦で滅亡したことにも、龍宮への回帰のイメージがあることを明らかにした。