看護学生一年次の早期の段階で模擬患者が参加するコミュニケーション演習をとおして、学生はどのような学びをしたのかを明らかにし、学習効果を検討することを目的とし、看護学部1年生で模擬患者との演習に臨んだ学生50名を対象に学生が提出した課題レポートの中から演習の学び・コミュニケーションに対する考え・気づきに関する記述を抽出し、47名のデータを質的帰納的に分析した。学生の提出したレポートから、演習の学び、コミュニケーションに関する考え・気づきについて、【患者とのコミュニ
ケーションの前提として持つべきものがある】【適切なコミュニケーションスキルを実施する】【患者の状況に合わせたコミュニケーションを考える】【日常生活・大学生活の中で自己のコミュニケーションの課題に取り組む】等の11のカテゴリが抽出され、今回の看護基礎教育課程早期における演習は、学生にとって模擬患者とのコミュニケーションや他者に評価される経験をとおして、これまでの自己のコミュニケーションに対する認識を評価しながら、新たに医療者としてのコミュニケーションの在り方を考える機会となっており、看護学生としてコミュニケーションに対する認識の転換期になることが伺えた。
共同研究につき抽出不可能