加齢性難聴のスクリーニング検査として妥当性が示されている「指こすり・指タップ音聴取検査(FRFT検査)」を,高齢者自身が実施可能であるかを検討することを目的とした。57歳以上の地域の高齢者にマニュアルを配布し,それを見ながらFRFT検査を実施・結果を記録してもらった。その後,検査者が実施し,結果を比較した。75歳未満では,検査が実施したときと結果は有意に一致(κ=0.60)していたが,75歳以上では一致しなかった。このことから,FRFT検査のセルフチェックは,75歳未満では実施可能であると考えられる。
佐野智子・長田久雄