地域在住高齢者の難聴の自覚と受診との関連
65歳以上の地域在住高齢者45名を対象に,聞こえに関する質問紙調査および純音聴力検査を実施した.良聴耳平均聴力により難聴に分類された21名中,16名には自覚があったが,5名には自覚がなかった.また,14名は未受診であった.高齢者の難聴自覚は,人ごみでの会話といった「悪い条件下」での聞き取りが悪化したときに生じると考えられる.自覚があっても受診するとは限らないが,「耳鳴り」のような不快感がある場合に受診すると考えられる.
桜美林大学大学院研究紀要,老年学雑誌,第7号,17-30.