プッシャー症候群患者の歩行機能向上を目的としたウェルウォークWW-1000(WW)の使用経験について報告した.対象は80歳代の男性であり,右放線冠のアテローム血栓性脳梗塞の症例であった.初期評価→介入5週後では,Scale for Contraversive Pushing (SCP)が2.00(座位0.25・立位1.75)→1.0(座位0.25・立位0.75),SIAS-Mは1-1A→2-2, 2-2-2→3-3-3 ,FIM歩行3→5,10m歩行介助にて42.9秒→サイドケインで42.9秒に改善した.初回時WW設定は,伸展アシスト10→3,振り出しアシスト6→2,歩行速度0.3km/h→0.2〜1.7km/hとなり,アシスト量の軽減,歩行速度の向上が認められた.プッシャー症候群患者においても,WWによる歩行トレーニングは有効である可能性が確認された.
共同研究につき本人担当部分抽出不可能