アラスカ北部における石油開発の歴史を概観したのち、野生生物保護区内で計画されている石油開発に対する先住民の反対運動やその主張について文化的社会的背景を分析し、現代のアメリカ・カナダ社会において狩猟社会を維持することで社会的生存を図ろうとする先住民社会が直面している社会的問題について考察を試みた。さらに周極地域の先住民社会が抱える特徴的な社会的諸問題を整理、指摘し、それらについて考察を試みた。
第Ⅱ部「自然」のシンボル化:第4章「「我々はカリブーの民である」:アラスカ・カナダ先住民のアイデンティティと開発運動」pp.95~122