左記国際学会における分科会「Anthropology as Education. Exploring Practices and Opportunities to Employ Anthropology in the Formation of the Citizens and the Professionals of the Future」において、福祉専門職養成教育における文化人類学の可能性について考察を試みる。これまでデータ収集・分析の技法として切り売りされ消費されてきた文化人類学の方法論のなかでも、とくにエスノグラフィカルなアプローチやフィールドワークで蓄積されてきた異文化接触に関する知見や政治性、植民地性に関する議論が、被支援者への「人文学的思考・アプローチ」が求められる福祉実践の領域においていかなる寄与の可能性を持ちうるのか、発表者の21年間にわたる教育実践に基づいて考察を試みる。