越境する先住民社会 ユーコン川流域の環境改善に取り組む先住民政府間協議会
ユーコン川流域の先住民社会は、水質改善を通じた健康や伝統的生活の維持のためにNGOを組織し、環境アセスメントや汚染物質の使用禁止、流域住民の教育などの活動を行っている。本稿では、2003年のYRITWC総会での議論を分析し、この活動が、国境(米加両国)、先住民政府間の垣根、外部社会との方法論上のずれという3つの境界を越えることを目指す試みであることを指摘し、問題の諸相について考察した。pp141~167
国立民族学博物館調査報告97 『海洋環境保全の人類学 沿岸水域利用と国際社会』松本博之編 人間文化研究機構国立民族学博物館