サケ資源の管理権限の獲得を目指すユーコン川流域先住民社会の取り組み
北太平洋沿岸の先住民社会は、河川沿岸の内陸部を含め伝統的にサケを利用してきた。本稿ではまずユーコン川を遡上するサケの資源としての特徴とそこに起因する諸問題について整理する。次にユーコン川中流域の先住民社会によるサケの利用および近年のサブシステンス利用への制限に対するかれらの主張について報告し、サケの社会資源としての重要性について検討する。最後にユーコン川流域先住民社会によるサケ資源の管理権限の獲得に向けた新たな活動について報告し、その戦略について考察を試みる。pp.181-202
『環北太平洋地域の先住民文化』(国立民族学博物館調査報告 132 岸上伸啓編)国立民族学博物館