「文化伝統」としてのビーズワーク アラスカ・グイッチン社会におけるビーズワークの役割とそこに見る社会的重要性に関する考察
アラスカ先住民社会において本来外来文化であったビーズワークが、いかなる経緯で伝統文化として定着したか、その歴史的経緯を明らかにした。さらに、当該社会でのビーズワーク文化の現状について報告し、現在でもビーズワークが価値ある贈答品としてあるいはアイデンティティの標章として重要な社会的機能を担っていること、製作者の意識における「伝統」は、経験や記憶の及ぶ範囲を基準にしていることを指摘した。pp.31~56
『北海道立北方民族博物館研究紀要』第8号 (北海道立北方民族博物館)