血管内留置カテーテルとは、皮膚から挿入される柔らかい素材からなる細い管で、医療現場では、点滴を実施する際に使用されている。血管内留置カテーテルは、治療に不可欠の一方で、血管内にカテーテルを長期留置することで、血管の炎症や感染を引き起こす。炎症・感染は局所の発赤や疼痛のみでなく、全身に及ぶこともある。感染の発生原因には、さまざまあるが、なかでも、皮膚の細菌によるものが最も多いといわれている。
消毒剤の殺菌効果を十分に発揮させるためには、消毒前に有機物をできるだけ除去しておくことが望ましいといわれている。しかし、臨床現場において、カテーテル挿入前にアルコールによる皮膚消毒は欠かすことなく実施されているが、これまで皮膚表面に存在する皮脂や汗、汚れといった有機物には着目されてきていない。そこで、消毒前にまずは、清拭の有無による皮膚消毒効果を検討する。