加齢性難聴への心理学的アプローチの必要性 自覚しにくさと受診困難をめぐって
加齢性難聴の先行研究を概観し,自覚と受診に関する問題について論じ,心理学的アプローチの必要性を述べた。加齢性難聴に関するこれまでの研究では,発症の機序,関連疾患,疫学調査,認知症やQOLへの影響などが明らかになってきている.加齢性難聴は自覚がないことが多く,耳鼻科受診率は低い.また,日本では欧米諸国に比べ補聴器装用の割合が低い.これらの検討するうえで心理学的アプローチが必要であることを論じた.
メディカル・サイエンス・ダイジェスト,第42巻第4号,10-12.