日本における韓国語教育(以下:韓国語教育)では、これまで様々な日韓交流学習(以下:交流学習)が行われてきた。高校における韓国語教育では、1980年代半ばより、韓国の高校と姉妹校締結が行われ、研修旅行やその事前事後教育として交流学習が導入された。これらの交流学習は、「人的交流を通じて国際交流の楽しさを感じること(国際文化フォーラム通信,2000:4)」や「交流に関連付けて他者を理解すること(国際文化フォーラム通信,2003:9)」を目指していることから、国際理解教育の側面を持っていたことが伺える 。一方、大学における韓国語教育でも、阪堂(2004)以降、日韓交流学習の実践に基づく研究が行われ、近年では、学習者が協働的かつ主体的に活動を展開する様々な交流学習の取り組みが見られ、今後も交流学習が多様化、活発化することが予想される。しかし、これらの交流学習の実践の動向をまとめ、可視化したものは筆者らの知る限りでは見当たらない。本稿では、韓国語教育と日本語教育の中で行われてきた交流学習の事例を収集し、その実践がいかなる活動を通じて行われているかを明らかにするとともに、今後の課題を示した。
共同発表者:岩井朝乃