本稿では韓国の大学院における「アカデミックな日本語」の学習に関するニーズや問題点及び意識を探ることを目的とし、学習者、教員、教育機関を対象にインタビュー調査と質問紙調査を実施した。その結果、学習者は学術的な日本語を必要とする環境にありながら、大学院の研究活動に必要な日本語能力が習得できていないことを認識していることが分かった。また、教師や教育機関も、その教育の必要性を認識している一方で、指導の実践には至っておらず、学術的な日本語の指導を行うための教育体制が整っていないという韓国の大学院における日本語教育の問題点が浮き彫りになった。
執筆担当:1・2・4章 共著者:徳間晴美