アメリカ大統領選挙の歴史のなかでも、建国以来5度の決定的選挙があった(1800年、1828年、1860年、1896年、1932年)という通説を受ける形で、とりわけ1968年、1992年、そして前回2016年と今回の2020年の選挙について検討。「中流階級」=白人労働者層が没落するなか、さまざまな分断が見られるアメリカの今後について展望した。討議のなかでは、敗者こそがアメリカのユニークな文明的伝統を示しているのではないかとか、アメリカには自国の歴史を世界史のなかで位置づける観点や外からの影響の観点が弱いのではないかといった論点が提起された。