セオドア・ローズヴェルトの「平和連盟」構想 もう一つの国際連盟
日本西洋史学会
セオドア・ローズヴェルトの「平和連盟」は、列強がそれぞれの勢力範囲において警察活動にあたりつつ、大小問わず文明国間の法的紐帯を維持することによって、世界秩序を安定させるという多国間連合構想であった。彼がウィルソンの国際連盟に激しく反対したのは、多国間連合は文明国間の法的紐帯を強化するための手段である以上、米英仏を中核とする平時同盟から出発すべきであり、中立を侵犯したドイツや、それとの単独講和に応じたロシアの加盟を認めるべきではないと考えたからである。