ヘンリー・スティムソンの外交視座 フィリピン統治を通じて
ヘンリー・スティムソンは、米西戦争期の「帝国創設者」から第二次大戦後の「ベスト&ブライテスト」の架け橋の役割を果たした。彼の対外認識は、アジアとヨーロッパの国際秩序は連関しており、アメリカは「両洋国家」として秩序変更の試みに実力で対抗すべしと訴えた点で「ベスト&ブライテスト」を先取りしている。しかし、英米中心主義の制約から免れなかった点では「帝国主義者」と変わりなく、ヴェトナム戦争での蹉跌を示唆した。pp.167-177
『社会システム研究』第12号