中国人上級日本語学習者の日本語作文における第1言語使用の効果
本調査では石橋(2002)の研究手法を一部踏襲し、直接L2で書いた作文と、L1で作文を書いてからL2に翻訳した作文について質・量の面から比較した。質的分析では、いずれの能力群においても、翻訳作文の方が直接作文より評価得点が高く、作文プロセスと言語能力によりL1の効果が異なること、量的分析では、言語能力と実施回数によりL1の効果が異なること、L1使用は「文の構造」に影響を及ぼすことを示した。
筑波大学留学生センター日本語教育論集
筑波大学留学生センター
第21号