本稿は聾学校の本科と重複学級の教育課程等の現状と課題を指摘するとともに、その課題に対する特別支援学校の取り組みを整理した。その整理の過程で、一つ目として単独障害を前提とした教育課程と重複障害生徒の増加による教育課程と生徒の実態の乖離状態であること、一つ目の現状から帰結するのだが、障害を持つ生徒の職業教育のニーズに応えていないという、教育課程と就労の乖離であること、そして、三つ目として特別支援学校の教育課程は、柔軟に編成することが可能であるがゆえに、その柔軟性をいかに児童生徒の指導及び支援に活用することが可能になるか、という教育課程編成の重要な視点が含まれているという、現状として抱える課題を指摘した。このような現状の中で特別支援学校は、課題を克服すべく、様々な取り組みについて整理した。